ベートーヴェン
①ピアノ・ソナタ第8番《悲愴》
②ピアノ・ソナタ第14番《月光》
②ピアノ・ソナタ第21番《ワルトシュタイン》
③ピアノ・ソナタ第23番《熱情》

ヴィルヘルム・バックハウス(ピアノ)
録音:1958年、1959年

ベートーヴェンは全部で32曲にも及ぶピアノ・ソナタを作曲していますが、このアルバムにはその中でも特に人気の高い４曲のソナタを収録しています。ドイツの巨匠ピアニスト、バックハウスがステレオ録音した2度目の《ソナタ全集》はレコード史に残る金字塔として現在も不動の評価を獲得しています。もちろん不滅の名盤1000にも選定されています。あっさり、ぶっきらぼうに弾いているように見えて、ベートーヴェンの本質にしっかり迫っている演奏です。「バックハウスを聴かずしてベートーヴェンのピアノ・ソナタを語るなかれ!」

バックハウスの使用するピアノはベーゼンドルファーです。スタインウェイとは異なる「ウィンナー・トーン」と呼ばれる柔らかい響きに魅了されます。

「お休みの日は何をされていますか？」との質問に「ピアノを弾いています。」と答えたバックハウス、それほどピアノを弾くことに命をかけ、ベートーヴェンを演奏することに人生を捧げてきたことの証がこの演奏です。

いずれも神々しささえ感じさせるような至高の名演です。既に録音から50年以上が経過しており、単純に技術だけに着目すれば更に優れた演奏も生み出されてはいますが、その音楽の精神的な深みにおいては、今なお本演奏を凌駕するものがあらわれていないというの凄いことです。いささかも奇を衒うことなく、悠揚迫らぬテンポで曲想を描き出していく。飾り気はなく、聴き手に微笑みかけることなど皆無であることから、聴きようによっては素っ気なささえ感じさせるきらいがないわけではない。しかし、独特の風格があり、各フレーズの端々から滲み出してくる滋味豊かなニュアンスは、奥深い情感に満ち溢れている。全体の造型はきわめて堅固であり、スケールは雄渾の極み。その演奏の威容には峻厳たるものがあります。

国内盤【廃盤】帯付き、プラケース少しすれあり
盤面少しすれありますが再生問題無し

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